公認会計士からみた民事再生手続

公認会計士からみた民事再生手続

民事再生手続を利用した事業再生は、

①債務カットをして、
②事業に不要・不利な契約の見直し、
③それらを利用して事業体質を改善し
④継続的に利益がでるような環境作りをする

ものです。

①②については、民事再生法にそれをする規程があります。
③④は、法律には明文の記載はありませんが、③④までやらないと、事業再生の意味がありません。

公認会計士は、法律の専門家ではありません。
しかし、訓練を受けた公認会計士は、事業再生一般の専門家として、法律や会計を駆使し、③④まで目指すことができるものです。

そうした総合的な観点から、事業再生公認会計士は、常に現場をみているものです。

泉会計事務所
会社版民事再生手続総合情報

民事再生手続と監督委員、公認会計士

民事再生手続における監督委員と公認会計士

民事再生手続においては、原則として監督委員が選任されます。
監督委員は、民事再生手続が適法、適正に進められているか、債務者(=申し立てた会社、再生会社)を、監督する役目です。

「監督」と言っても、野球の監督とは異なります。
チームを引っ張る責任者、というわけではありません。
文字通り「監督」であり、積極的に手続を進める立場ではありません。
第三者的立場で見守る役割です。

民事再生手続は、あくまでも再生債務者(=再生会社)が主導的に進める手続であり、監督委員は基本的に受動的なチェック役です。

さて、監督委員は弁護士から選任されるのが通例です。
そして、弁護士である監督委員は、会計・財務の専門家ではないので、監督委員補助者として、公認会計士を選任します。

監督委員補助者公認会計士は、財務・会計の専門知識をもって、再生会社の財務、財産評定など、数字にかかわる部分をチェックして監督委員に報告します。監督委員は、補助者会計士の報告を参考にして、様々な判断をし、再生会社の監督に役立てます。

監督委員の補助者公認会計士も会計士なら誰でもいいというわけではなく、企業再生を専門分野とする公認会計士が選任されることが通常です。

会社側の公認会計士は、プロ同士の会話でもって、監督委員補助者会計士とコミュニケーションしながら手続を進めていきます。

このように公認会計士は、縁の下の力持ちとして、危機時にある会社の会計、財務を支え、利害関係者が納得するような数字を作り上げています。

この会計士が作る「数字」がないと会社も弁護士も戦えません。

貴方はどんな会計士に数字を作ってもらいたいと考えるでしょうか。
どんな会計士にスキーム、戦略を考えてほしいと思うでしょうか。

はじめての民事再生-泉会計事務所
監督委員の方へ-泉会計事務所

公認会計士と民事再生

民事再生手続における公認会計士の役割

民事再生手続は法的手続ですから、弁護士の関与は不可欠です。
また、企業活動であり、最終的にはお金の問題となりますので、公認会計士の役割も不可欠です。

・財産評定
・資金繰り
・再生計画(案)
・自主再建での事業計画
・スポンサースキームでの事業譲渡対価
・譲渡スキーム
・債権認否

などなど、公認会計士が必要な場面はたくさんあります。

一方で、財産評定しかしない、などという会計士もいます。

本来、事業の仕組み、プロセスに知己のある公認会計士は、企業再生の場面では超重要です。
一方、企業の窮境につけこむ、悪質なコンサルタント的な者も散見されますので、その点は要注意です。

事業計画や交渉のための数字は、作り方如何で、かなり幅のあるものとなります。
他との整合性も必要です。ある交渉に有利な数字も、別の局面では不利になったりします。
全体最適の数字を作っていくためには、全体を把握できる会計士が、数字のコントロールをする必要があるのです。

別除権の受戻は、会社にとって小さい金額がいいですが、対スポンサーとの場面では、大きい金額のほうがよい場合もあります。この矛盾を法と会計の論理でバランスよく組み立る必要があったりします。これは一例ですが、企業再生の現場は矛盾だらけ、そこをうまく捌く必要があります。

事業再生をお考えの経営者の方は、まずは企業再生になれた公認会計士にご相談することをお勧めします。

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