会計プロフェッショナルの活躍フィールドと未来

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会計プロフェッショナルの活躍フィールドと未来


合格者が増えるも「就職浪人」続出という現状

 しかし、日本の公認会計士の総数は2万4000人ほどと、アメリカの35万人やイギリスの15万人に比べれば、圧倒的に少ないのが現状です。 四半期決算業務の義務化や、上述の内部統制構築支援やコンサルティング業務の増大などにより、公認会計士の絶対数不足がますます顕著になってきています。

 この流れを受け、金融庁は2018年頃を目途に、会計士の数を現在の2倍以上、5万人ほどにする意向を打ち出しました。次いで、2003年の公認会計士法改正に より会計士試験の制度も変更。2007年の合格者数は2695名と、前年である2006年の合格者数のほぼ2倍に急増しました。

 ただ、この合格者の増加は、会計士不足を補っていないというのが実情のようです。合格者の能力や資質を慎重に見極めようとする大手監査法人では 採用予定人数を割る法人が続出する一方で、比較的高い年齢で会計士試験に合格した、いわゆる「就職浪人」の会計士予備軍も増えています。監査法人では、 比較的若い年齢層の合格者が採用される傾向がありますが、年齢層の高い人たちには、他の事業会社と同様、即戦力としての業務経験を求められることが多く、 現実には経験を持ち合わせていない高年齢の会計士予備軍は、大手監査法人への就職がままならない状況があります。

監査法人へ進まないという道もある

 「まずは監査法人に就職するのが王道」といえ、もちろん「監査法人への道を進まない」というキャリアパスもあります。

 例えば、10年以上前、大学在学中に公認会計士・二次試験に合格した工藤安雄氏(仮名:40歳)。工藤氏は、大学卒業後は大手銀行に就職し、 銀行でのいわゆる「実務従事」を経て正式に公認会計士となりました。銀行の子会社である経営コンサルティング会社に希望して転籍し、その後 独立して経営コンサルティング会社を設立し、代表に就任。現在は主にデュー・デリジェンスを行うコンサルティング会社のパートナーを勤めています。
 「私は大学卒業後、監査法人ではなく大手銀行への就職を選びました。というのは、監査法人にはいつでも入ることができるかもしれませんが、当時は、 銀行に中途で入行するのが難しかった。若い時から社会経験を積むには、先に銀行に就職した方がいい、と考えたからです」と工藤氏は言います。 公認会計士は、いわゆる会計監査に絞られるべきではないため、社会人としての「原体験」となる最初の組織を「監査法人以外」求めたほうが人との 出会いの幅が格段に広がる、ということのようです。「会計士の活躍フィールドは様々な分野に広がっています。監査法人以外での活躍を成功に導く、 あるいは、そこでの活躍を通じて社会に貢献する、という観点からは、最初は監査法人に就職しない方がメリットのあることも多いでしょう。」

 また、「公認会計士の資格を持っているだけでは、社会で通用しません」と工藤氏は断言します。「会計士の資格を持たずにある分野に特化し、 その専門領域では会計士以上の知識を持つビジネスパーソンも大勢います。会計士は、資格試験に合格し、正式に公認会計士の登録を行った後も、更に 勉強を続けるべきなのです。」

 更に、「公認会計士の人数が増えることはよい傾向です」と工藤氏は続けます。会計への知識の信用性の高い人が増え、様々なジャンルに進出して 切磋琢磨して社会貢献していく、ということが、社会の要請にも応えることとなり、公認会計士のキャリアUPにもプラスになる、ということだそうです。 「そして、ある程度の年齢になれば、転職するのではなく、請われて引き抜かれるようになるべきでしょうね。必要とされるフィールドに請われて行くのが、 会計のプロとしての理想的な形ですね。」